自分の持っている不動産を売却したい場合に、一つの選択肢として出てくる売却依頼先が、その家を建てたハウスメーカーです。

日本は新築文化。その家を建築時から所有している人も多いと思います。
今回はそんな自分の不動産を売却したいと言うときに、その家を建てたハウスメーカーに依頼すると言うところについて紹介していきたいと思います。
その家を建てたハウスメーカーに不動産売却を依頼する場合の注意点
結論から言うと、その家を建ててハウスメーカーに不動産売却を依頼するのはおすすめではありません。
家を建てたハウスメーカーに売却依頼
不動産を売却したいと思った場合に、その家を建築したハウスメーカーに、その担当者に依頼したいという気持ちはよくわかります。
新築一戸建てを建築する場合には、間取りをどうしよう、仕様はどれにしよう、キッチンやトイレなどなど設備をどのメーカーにしよう、クロスや外壁の色は何色にしようというよなことで、たくさんの打ち合わせを経て多くの時間をともに過ごし決めていくことになります。
そうなってくるとそのハウスメーカーの担当者とも人間関係ができていくことになります。

不動産関係の1番の知り合いになると思います。
さらには一般の方からすると「不動産営業マン」というような括りになります。専門分野が全然違うという認識もないでしょう。
そんな感じで自然な流れでその家を建てたハウスメーカーの人に、その物件の不動産売却を依頼するという流れは理解できます。
実際によく見かける現象ではある
これは実際よく見かける現象でもあったりします。
レインズなどを見ていると、新築一戸建てを建築しているだけで、不動産売却の募集活動など全くやっていないような大手ハウスメーカーで「〇〇ホーム建築の築5年の中古一戸建て!」なんて感じで売りに出ていたりします。
不動産業者としては、

あーこのパターンねって思うわけです。
ほんでハウスメーカーは普通に中古一戸建て販売を日頃してるわけではないので、他業者に嫌われてもお構いなしの無敵状態です。他の不動産業者と協力する必要もないため、自力で売れもしないのに「囲い込み」っぽい動きをしたりしてきます。
もうええって。ってみんな思っています。
ハウスメーカーに不動産売却依頼は危険な理由

その家を建てたハウスメーカーにその不動産の売却依頼をするのが危険な理由は
- そもそも中古一戸建て売却の細かいノウハウがない
- 営業マンがそもそも中古売買のやる気がない
- 囲い込み気質の場合も多い
というようなところが挙げられます。
ハウスメーカーは不動産仲介は素人
新築一戸建てのハウスメーカーは一般の人にとっては不動産業者で不動産営業マンでしょうが、中古一戸建て売却の「仲介業」とは全く違う職種になります。
たくさんのその地域で売られている中古一戸建てを知っていて、何件もそのエリアで売却活動をしていてというようなそういった中古市場の知識も求められてきます。
注文住宅を販売するという仕事では自社の建物は自分からしか購入できないので、その商品に詳しければいいわけですが、中古一戸建ての売却活動においては、他社との協力や他社の商品も含めた提案力が求められるため、普段ハウスメーカーの営業マンがやっているような感じでは上手くいくことは少ないです。

一つその建物の構造や工法に詳しいというアドバンテージはあります。
ですがこれもほとんど中古市場では求められいるケースは少ないです。
築2年で〇〇ハウスの中古一戸建てなら建築したハウスメーカーのネームバリューも関係ありそうですが、築20年の〇〇ハウスの中古一戸建てならどのハウスメーカーでも大体一緒です。どれだけ丁寧にメンテナンスをしながら管理されていたのかというような「状態」の方が重要な要素になります。
ハウスメーカーの営業マンが購入検討者の興味のない「自社の工法の話」を長い時間かけてされて、お客さんが辟易するという光景はハウスメーカー中古販売あるあるでもあります。
営業マンは誰もそんな仕事したがっていない
また新築一戸建てを販売しているハウスメーカーの営業マンも中古一戸建てを販売する仕事をしたいわけではありませんのでやる気も少なめの場合が多いです。
やはりハウスメーカーの営業マンがしたいのは新築販売になります。そして得意なのも新築販売です。誰しも得意な作業の方がしたいです。「1年前に一回やったけどコレどうやっけ?」って不安なある作業はモチベーションも下がります。
こういった担当する不動産営業マンの気持ち的にもハウスメーカーに不動産売却を依頼するのは避けた方がいいでしょう。
他業者に嫌われてもお構いなしの囲い込み気質
その家を建てたハウスメーカーに不動産売却を依頼するパターンは先ほども紹介したように、そのハウスメーカーや担当者に多大な信頼関係がある場合が多いです。
そういった場合には信頼を元に「囲い込み」をして利益を大きくしようとする可能性もあります。
さらにはハウスメーカーは土地の仕入れ業者以外は基本的にはその辺の不動産仲介業者に嫌われても問題ない業務形態になっています。

基本的には自社の建築する新築一戸建て商品を販売するだけのビジネスですので。
他業者と協力する必要がないということは、囲い込みをして他業者に嫌われたとしても仕返しされる恐れも特にありません。そしてその依頼された物件を売却しようとはしますが、問い合わせてくれたお客さんがその物件を気に入らなかった場合は、他業者の中古一戸建て物件を売る気もありません。
その依頼された物件が売れなければ終わりです。他の中古物件を売る暇があれば自社の「新築」を売らないといけませんので。そういったことを考えると、自分が囲い込みをして他社に嫌われて、その相手業者の物件を紹介できなくなってもデメリットはありません。
ある意味無敵状態ですので「自社単独で売る力もないのに囲い込み状態」という本当に謎の販売手法になるケースが非常に多いです。
まとめ:その家を建てたハウスメーカーの不動産売却
- ハウスメーカーに中古一戸建て売却を頼むのは危険
- ハウスメーカーは新築販売の専門家
- 専門外のことをやると誰しも知識不足でやる気不足
- 謎の囲い込みスタイルになることが多い
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