不動産を個人間売買する場合の大きなデメリットが住宅ローンが使えないというところになります。ですので不動産業者を通さずに個人間売買をする場合には現金で購入するような低価格な不動産の場合が多いです。
なぜ個人間売買をする場合に住宅ローンが使えないのでしょうか。
今回はそんな不動産の個人間売買と住宅ローンについて紹介していきたいと思います。
個人間売買では住宅ローンが使えない
個人間売買で住宅ローンが使えないという理由は基本的には「金融機関が嫌だから」という理由になります。
取引の実態が見えづらい
まず一つに言えることは取引の実態が見えづらいということがあります。個人間売買の場合売主と買主双方が納得していればどんな形式であっても売買が成立します。
本来は仲介業者が書面化すること義務付けられているようなものも個人間売買の場合は書面にしてお互い合意をしておく必要はありません。
そういった意味でお金を貸す金融機関としてもそれが一体どのような取引なのかを把握することができないという側面があります。
住宅ローンは買主が居住する住宅について融資をするという商品であり、それを理由に低金利での貸付をするわけですが、本当に居住用なのか、居住する目的で購入できる物件なのかなど確信が持てない取引には融資はできないというのが実情です。
重要事項説明書など書類が揃わないから
また具体的な手続きの話では、重要事項説明書など住宅ローンの審査の時に必要な書類が個人間売買では揃わないということも言えます。
個人間売買でも「契約書」は売主と買主が作成すればできますが、重要事項説明書は宅地建物取引士が作成・説明しないといけません。そうなると個人間売買においては基本的には重要事項説明書という書類自体がない場合がほとんどになります。
こういった個人間売買においては、通常の取引では金融機関が取引の実態や物件の詳細情報を把握するために見る重要事項説明書もないため手続き的にも融資ができない状態になります。
不正取引などの可能性もある
個人間売買=不正取引というわけではありませんし、不動産業者が入れば絶対問題ない取引になるわけではありませんが、金融機関から見ると、個人間売買は不正な取引ではないかという疑いは強くなります。
個人間売買でよくある疑いでいうと「本当に居住用としての不動産なのかどうか」というところと「贈与税を回避するための偽装売買ではないか」というようなところです。
そういった意味合いでは不動産投資などの収益の目的を持った案件に住宅ローンを使われては困ったり、租税回避の違法な取引に巻き込まれたくないという、金融機関としてのコンプライアンス上の判断で住宅ローン融資をつけないという事情があります。
事後トラブルが多く融資しづらい
また事後のトラブルの可能性も個人間売買で金融機関が住宅ローン融資を嫌がる要因です。
当然ですが、融資は取引が何のトラブルもなく成立しないといけません。売主買主の認識の違いで後にトラブルになった場合に、融資してしまった銀行はその資金を回収しないといけません。ですが場合によっては当事者が「返したくない」「売主が返してくらないから返済もできない」というような状態になり、当事者同士のトラブルに金融機関が巻き込まれるケースも想定されます。
こういった状態になりたくないため、金融機関はプロの不動産業者の仲介の入った、後々トラブルになりにくい不動産取引にしか住宅ローン融資をしたがらないという部分があります。
普通の取引では物件や取引の正当性について誤りがあったりして後から問題になっても不動産業者に責任を取らせることもできます。
個人間売買では金融機関はそういった正当性の判断や事後のミスについても自分で責任を負わないといけないので融資を嫌がるという要素があります。
個人間売買で住宅ローンを利用する方法
それでも個人間売買がしたいケースもあると思います。不動産を売るけど購入希望者はすでに自分で見つけているという場合に、一般的な「買う人見つけてください!」という不動産仲介と同じ金額の仲介手数料を支払わないといけないというのは流石に無理があります。
不動産業者に安く重説だけ依頼する
そんな個人間売買をしたいけど、住宅ローンも利用しないといけない時にはどうするのかというと、不動産業者に割安な価格で重要事項説明書などの物件調査や書類作成などだけ依頼するというものです。
大きな不動産業者の場合には社内ルールなどによってそんなことはできないところもありますが、地方の中小の不動産業者であればどこでもやってくれます。
もちろん弊社でもやっておりますのでお気軽にそういったご相談もしてください。
当事者が宅建士だったらどうなるの?
こういった個人間売買のご依頼でよくご相談いただく内容が、
重要事項説明書さえ作れば住宅ローンって融資して貰えるんですか?
というような内容です。重要事項説明書は宅建士の資格保有者であれば不動産業者に勤めていなくても作れることは作れます。そして意外と宅建士の資格保有者は多い。
そんな事情もあり売主と買主のどちらかが宅建士の資格を持っていたり、不動産業者ではないけれど宅建士の知り合いがいるという場合もあります。そんな人に重説だけ作らせたらどうなるのかというと、基本的にはそれでも金融機関は住宅ローンを融資してくれません。
金融機関が求めるのは第三者である不動産業者と宅建士がハンコを押してその書類の正確性に責任を持ってくれている書面になります。当事者が作ったような書類は重要事項説明書という体裁があっても金融機関としては信用できるものでもありません。
まとめ:個人間売買は住宅ローンが使えない?
- 個人間売買は住宅ローンが使えない
- 金融機関は不動産屋がちゃんと関わっている安心感が欲しい
- 個人間売買で住宅ローンを使うには不動産業者に頼んで割安でやってもらおう
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