不動産売却をしていると、内見はあるのに売れない物件というのもあります。これどうしたらいいの?っていう状態になりますが、
不動産業者としても責任を感じるような状況になります。
今回はそんな内見・見学者はいるのになかなか売れない物件の特徴と、現役不動産業者の本音を紹介していきます。
見学は多いけど売れない不動産物件の特徴
なかなか売れない物件は普通にありますが、「見学者は来ているのに」なかなか売れない物件という話になってくると少し限られてきます。
やはり第一は「金額」が高すぎる?
売れない不動産物件というとまず第一にあがってくる売れない理由が「価格が高すぎる」ということです。
逆にいうと売れない場合のほとんどは価格を下げると取り敢えず解決はします。
しかし「内見はあるのに」売れない物件になってくると、話は少し違う部分も出てきます。単純に価格が高すぎる場合には、問い合わせ自体がない場合も多いです。
内見があるのに売れない物件というパターンで「価格が高すぎるのではないか」というところを検討する場合にはなぜ内見はあるのかというところを考えないといけません。これは後で解説する「広告と物件のギャップがある」というところも一つの要素になりますが、そのほかには
- 市場的には珍しい物件・特殊な要素がある
- 他の物件のついでに見にきている
- 特別な広告枠を使っている
というようなことも考えられます。
一つ目は珍しい物件ということですが、その物件に特殊な要素があると見学は起こりやすいです。周りに普通の木造戸建ての物件しか並んでいないところを、自分の物件だけログハウス風戸建などになってくると金額は高くても興味本位の見学は出てきます。
また二つ目のようにその物件に問い合わせたわけではない人が、比較検討要素として見学に来ている場合もあります。マンションなどは多少金額が高くても、他の部屋を見学した方がついでに見学することも多いです。
金額が高いと思っていても、室内見て高い理由があるのかも…と確認したい気持ちもありますし。
また三つ目は不動産業界の集客のマニアックな話ですが、スーモやホームズ・アットホームなどのポータルサイトで特別な広告枠を購入して掲載してもらっている場合もあります。この場合は非常に売主としてはありがたい話ですが、見学数が増えて成約率が下がる傾向にあります。露出が増えると問い合わせ数が増えますが、興味本位で問い合わせる人の率が上がるのです。
そういったところで見学があっても金額があっていないという可能性はありますので、どのように見学に至ったのかを中心に検討していくと解決策が見つけられる可能性があります。
広告と物件のギャップがある
内見があるけど売れない不動産の特徴として、広告と物件のギャップがあるということもあります。
例えば動画の中で話したもので言うと、
- マンションの最上階15階の物件
- でもエレベーターは14階までで最後は階段
というような物件もあります。普通はマンションを見に来ているのでその階までエレベーターが行くものと思っていますので、見学に来てくださった方がソコで一旦がっかりするのは目に見えています。
そのほかには、管理費や積立金などの他に月々の経費がかかりすぎる物件もこのような内見は出るけど決まらない物件になります。普通、管理費や修繕積立金の項目はチェックしますが、その他に出費がある場合も書くにしても書く欄もないということで不動産業者も広告で告知するのが難しい部分もあります。
管理費1万円・修繕積立金1万円だけだと思っていたら、各部屋のオイルヒーターの管理費や積立金や共用部分の施設利用費や管理費が別途かかってくるマンションもありますので、そういった物件になると内見はあるけど売れないという状況になりやすいです。
客寄せパンダ化した不動産物件
最後に営業マンが敢えて真剣に売らない「客寄せパンダ物件化」している可能性もあります。
これは不動産業者がするテクニックの一つで「振り替え」というものでもありますが、問い合わせの取れる物件で出来るだけ多くの問い合わせをとり、いろいろな営業トークでその物件が売れないようにセールスし、他の物件を契約していくという手法になります。
こうなると見学はあるのに売れないということにも説明がつきます。
「内見あるのに売れない」の不動産業者の本音
ここからは内見があるのに売れない物件の不動産業者の本音を紹介していきます
次第に営業マンのせいでは?と疑われ出す
このパターンは不動産営業マンにとっては非常につらい状況になります。内見はあるのに売れないわけですから、
- 売主さんは売却依頼をしてくれている
- 会社は問い合わせを取ってくれている
- 不動産営業マンが契約を取れていない
というような状況とも言えます。
これは本当につらい。
上で紹介したような状況分析をしないで現状把握していると次第に「これ不動産営業マンの営業力が低いせいなんじゃね?」というような話になっていきます。
ですが思っているほどそんなことはなくて、実際は上で分析するようなことが起こっているだけで実際どんな営業マンが対応してもそのような状態になっていることが多いです。
基本売れない理由はわかりにくい
あと内見はあるのになぜこの不動産は売れないの?というようなことを考えていくと、結構複合的な理由にもなってくるので、はっきりと理由は分かりづらいということもあります。
主に最初の「金額」という話が一番の要因なのですが、それでは案内が出ている要因がなんなのかというところを考えると難しい場合があります。
営業がしっかりした企業なら「周辺物件も全部見せて結論をとる」というような営業が徹底されている場合もありますので、「ついで見学」が増えているとか…。弊社のような広告ゴリゴリかけるところなら特別な広告枠で検討強度の低い人まで見学に来ているとか…。
これもわかりやすい要因があればいいのですが、普通はそんなことも明確には分かりませんので、現場見学に至ったお客さんの事例を一つ一つ分析していくことが重要になってきます。
ネガティブなことは広告に書かないのがセオリー
二つ目の広告と物件ギャップが激しいというようなところについては不動産業者の本音としては、やはりネガティブなことを広告に書かないというのがセオリーという部分もあります。
例えば先ほどの話のように
- マンションの最後は階段です。
- 隣は墓地になっています。
- 設備に問題があり仕様するには〇〇万円くらいはかかりそうです。
というようなことを書いている不動産広告は流石にまだ主流になっていません。
心理的瑕疵などは広告に書く義務がありますが。。。
そういった法定されていないようなネガティブな要素はわざわざ書かないですので、逆に「内見があるけど売れない」「でも価格は下げたくない」場合は、その物件にあるネガティブ要素を広告にも書いてみて問い合わせがあるのか試してみるのもいいかもしれません。
「振り替え」そんなこと出来る場合は少ない
この見学はあるけど売れない物件というような話をすると、絶対と言っていいほど出てくるのが「振り替えされている」「客寄せパンダ物件化」しているというお話です。
ですが、実際は…そんな上手くいかないのでそんな事をしている不動産業者はほとんどいないと思ってくださっても大丈夫というレベルです。
あれは大体素人がネット情報見て言っているようなことと思ってください。
ある物件で集客して、その周辺の物件を契約していくなんていう神技ができる人がいたら苦労しません。お客さんは不動産営業マンが何を話すか、どの順番で見学するのかなどに関わらず、基本的には「自分が気に入ったもの」を買います。
基本的に我々不動産業者でお客さんが買う物件をコントロールできると思っていることが間違いで、そんなことはできません。
まとめ:内見は多いけど売れない不動産物件の特徴
- 基本は「値段」の問題ではあるので値下げ検討
- その中でどの要素で内見が多いのか把握しておきたい
- 広告と物件のギャップがないか確認も必要
- 物件の「振り替え」によって売れなくなっている?
- この状況は営業マンが一番つらい
YouTubeおるすまの不動産売却チャンネルでは不動産売却に関するお役立ち情報を発信しています。もしよければチャンネル登録よろしくお願いいたします。
どんなことでもお気軽にLINEしてください。
コメント