不動産売却の契約時に渡される「手付金」って一体何?どういう意味?

所有権移転登記の費用 売却の基礎知識

不動産売却の契約の時に、買主から手付金というものを預かることが普通です。この手付金というものはどう言った意味で使われるのでしょうか。

おるすま内田
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なんか不動産買う人がお金入れるのは普通。意味はわかっていないという方も多いと思いますのでご説明させていただきます。

今回はそんな買主が契約時に売主に支払う手付金についてご紹介していきたいと思います。

不動産売却の契約時に発生する手付金

YouTubeおるすまの不動産売却チャンネル「手付金とは何?」

不動産売却の際に買主が支払う手付金。売却する売主側からすると契約締結時にお金がもらえるということになりますが、「この手付金の意味っていったい?」というような方もいると思います。

一般的には解除する時に使うもの

この契約時に支払う手付金は基本的に締結した売買契約を、「やっぱり気が変わってやめたくなった」という時に効果を発揮するものになっています

民法の規定を言うと「買主は手付金を放棄すれば契約を解除できる」ことになっています。これは手付け流しと呼ばれたりします。また逆に「売主は手付金の2倍の金額を買主にしはらえば契約を解除できる」ことになっています。これを手付倍返しと言ったりします。

このように一旦「売買契約を締結したけど、それをどちらかがやめたくなった」と言うような場合に、やめたい人が手付金の額だけペナルティを負う仕組みになっています。

ただ普通は契約すると何のトラブルもなくお引き渡しがされてしまいます。このような場合は手付金で支払っているお金は物件価格に充当されます。

2000万の物件で手付金を50万円を支払っている場合は、引渡しまでに残りの1950万円を支払うというような仕組みです。

手付解除の論点「履行の着手」

しかし契約した後ずっと手付解除ができるわけではありません。期限が決められているのが普通で、「相手方の契約の履行に着手するまで」手付解除はできるという規定になっています。

つまりは相手が予定通り取引するために行動を起こしていない状態なら手付解除ができ、既に動き始めてるなら手付解除はできずにもっとペナルティの額が重い違約解除になるということです。

でよく問題になるのがこの「履行の着手」には何が含まれるのかということですが、不動産取引は千差万別さまざまな取引態様があり、「これが履行の着手!」という風に決めることが難しいものになっています。ですので、明確なルールというのは存在しません。ただ

  • 売主が所有権移転登記の手続きをした時
  • 買主が中間金や残代金を支払った時

などが履行の着手に当たるという考え方はあります。しかしこの考え方によっても売主が所有権の移転をするのは引渡しの時だし、買主が物件代金を支払うのも引渡しの時が多く、引渡しの時まで手付解除ができるということになるケースも多くなり、こうなると

おるすま内田
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契約したけど結構簡単に解除できちゃうよね。というふうになり、取引の安定性がなくなり問題があるという部分も出てきます。

そういった問題もあるので、履行の着手という期限ではなく、具体的に「この日までは手付解除ができます」という契約内容になっている場合も多いです。

手付金の金額はどれくらい?

手付金の金額はどれくらいにすべきかというところも気になる部分です。

手付金の金額には法律での規制などは特にありませんが、一般的には売買代金の5%〜20%の間の金額が多いです。3000万円の物件の取引の場合は150万円から600万円くらいの金額ということです。

手付金はいくらでも問題はありませんが、先ほど説明したように手付解除するときに使われるものですので、1万円などあまりにも安いとお互いすぐ解除できてしまい契約した意味がなくなってしまいます。逆にすごく高額にしてしまうと万が一止むに止まれぬ事情で解約しなければならなかった時に、ペナルティの額が高額になりすぎます。

契約の安定性も保ちながら、万が一の時に解約することすら不可能なくらいにならない金額というちょうどいい金額に設定する必要があります。

ちなみに不動産会社が売主の場合は売買代金の20%以上の手付金はだめというルールになっています。

手付金の3つの意味

不動産売却の際の手付金

このように手付金というのは解約するときの、ペナルティの金額とも言い換えることができますが、手付金というものには3つの種類があると言われています。

おるすま内田
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宅建士の試験勉強みたいな話で、実務ではそこまでこのことを意識しなくても生きていけますが一応解説しておきます。

日本では基本的に2番目の「解約手付」なので、それ以外は特に知る必要もないですが

契約の証拠としての「証約手付」

まず一つ目が「証約手付」という意味合いです。

不動産の取引の交渉に関しては色々な段階があり、どこで契約が成立したのか一見すると明確でない場合もあります。ですので、買主側からの入金により契約したことを証明する意味合いで手付金が支払われるという考え方になります。

ただし日本では手付金といえば「解約手付」。説明したような解約の時のためのお金という考え方で支払われることが多いです

解約の代償としての「解約手付」

先述したように日本では手付金といえば「解約手付」として支払われています。

買主は手付金を支払っておくことにより、手付流しによって万が一の場合は契約を解除することができ、また売主は手付金を受け取ることにより、倍返しによる契約の解除が可能になります。

違約金としての「違約手付」

その他には「違約手付」というものがあります。買主・売主どちらかに債務不履行があった場合に手付金が違約金として、損害賠償とは別に相手方に没収される旨決められているケースもあります。

まとめ:不動産売却時の手付金とは?

  • 不動産売却時の手付金の意味合いは「解約手付」
  • 買主は手付流し・売主は手付倍返しで契約を解除できる
  • 何が履行の着手かは場合によるのでなかなか難しい

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内田 隆一

株式会社おるすま代表取締役
不動産営業歴13年の経験と実績で不動産売却から購入までフルサポート。
奈良生まれにも関わらず、事務所を木津川市に構え、自身も木津川市在住の木津愛溢れる不動産エージェント。
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