不動産を売却す場合には法律上の知識というものも必要になってきます。不動産業者にアドバイスをもらいながら対応すれば問題ありませんが、売主さんも最低限の法律上の知識を持っておく必要があります。
最低限の法律上の知識を持つだけで騙されたりする可能性も減ります。
今回はそういった不動産を売却する場合に一般の人にも知っておいてほしい法律上の基礎知識を紹介していきます。
不動産売却の際に知っておきたい法律の基礎知識
不動産売却の際に知っておきたい法律はたくさんありますので、どこから言うかによって大きく変わりますが、今回は基礎知識を3つに分けて紹介していきます。
そもそも不動産の媒介とは?
まず不動産を売却する場合には「媒介」契約というのをします。まずここから?っていうレベルの話ですが、当然わかっているという方は読み飛ばしてください。
不動産売却業務をしていると時々、不動産を売りたいんですけど、いくらで買い取ってくれますか?ってテンションの方がいます。こういった方のお話を聞くと、不動産売却をする時には全て不動産業者が買ってそれを一般に販売していると思っているというパターンが多いです。
そんな方に知っておいてほしい法律上の基礎知識は一般的には不動産業者がするのは「媒介」という業務で、不動産屋が全部買い取って販売しているわけではないこと。もちろん買取をする場合もありますが、一般の方が売主として販売する、それをお手伝いする不動産仲介業者、そしてそれを購入する一般の買主、この3者で取引が行われるケースがほとんどです。
不動産売却の最重要項目「契約不適合責任」
次に売主さんに知っておいてほしい不動産売却に関する基礎知識は「契約不適合責任」です。
もし売却する物件に大きな問題点があった場合に引き渡し後も売主で負わなければいけない責任です。欠陥があったらどうするのかというところです。
具体的には、民法・宅建業法・住宅の品質確保の促進等に関する法律の3つの法律に分かれて対応が決められています。詳しくはこちらをご参照ください。
自分が使っていたような中古不動産を売却する場合は、売主側に過度の責任を負わせてしまうと不公平になるため、数ヶ月の期間で契約不適合責任を負わせたり、全く売主には責任を負わせない契約にすることが実務では多いです。
売れたあと、引き渡し後もどういった場合に責任を負わないといけないのか、確認しておく必要があります。
仲介手数料の法律知識
3つ目が仲介手数料の法律上の知識です。仲介手数料というのは宅建業法に定められており、請求して良い上限が決められています。
逆にいうとそれ以上の請求をする不動産業者がいると宅建業法違反ですし、仲介手数料とは別の名目を使って請求しようとする場合もありますので注意が必要です。
不動産売却の仲介手数料の上限
不動産売却をする場合の知っておきたい法律の基礎知識として仲介手数料の決まりがあります。仲介手数料は高額ですし、ここで不正をして多めに請求しようとする企業もありますのでしっかりと把握しておくべき内容になっています。
宅地建物取引業法によって規定
不動産売却時にかかる仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法(以下「宅建業法」)によって以下の通り決まっています。
不動産の売却価格の中でも3つの価格帯に分けられた中で、それぞれ仲介手数料の上限額というのが決められています。ですが例えば2000万円の物件の仲介手数料を計算するときに、200万円は5%、次の200万円は4%、そして残りの1600万円は3%という風に計算するのはものすごく面倒です。
ですのでそういった場合には即算法というものがあり、3%+6万円×消費税という計算式で出すことができます。
2000万円×3%+6万円×消費税=726,000円となります。
広告費を請求されたら要注意!
上限いっぱいの仲介手数料に加えて、仲介手数料とは異なる名目で金銭を受け取ることも禁止されています。
上限を無視して仲介手数料を請求する悪徳業者は最近は少なくなりましたが、「事務手数料」や「広告費」という名目で、仲介手数料とは別に金銭を請求する業者がまだ存在します。
なお、売却のための「広告費」と聞くと合法的な費用と思ってしまいますが、広告費用は仲介手数料に含まれるという判例が出ています。
広告費を別途請求してくる仲介業者には気を付けましょう。
「だったら仲介手数料無料の業者なら安心かも」と思った方、仲介手数料無料にも大きなデメリットがあります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
まだまだある不動産に関わる法律
民法、宅建業法、都市計画法、建築基準法など、不動産の売却に関係する法律はまだまだ存在します。
例えば土地を売却したいというような場合には、その物件にどのような建築物を建築できるのかというようなことは都市計画法や建築基準法で決まってきます。また売却する物件に対して隣地から越境物がある場合などは民法の規定が関係してくることになります。
土地の境界が未確定の場合は土地家屋調査士へ、相続で揉めている場合は司法書士へ、とそれぞれの問題に解決のためのプロフェッショナルがいます。裁判に発展しかねない問題の場合は弁護士に相談した方がよいケースもあるでしょう。そういったプロへの相談も大きなトラブルの回避するためにはとても大切です。
売却を依頼した仲介業者が、法律・法令に詳しいかどうか、また法令を遵守しているかどうか、よく見極めることが大切です。
まとめ:不動産売却の知っておきてい法律上の基礎知識
- 契約不適合責任と仲介手数料については法律を見ておこう
- 全ての関連法規に詳しくなるのは難しい
- 専門家にアドバイスをもらいながら進めていこう
しかし、最も重要なのは、不動産売買の知識が豊富な仲介業者と営業マンに売却を依頼することです。
売却を進めていくための一つひとつの壁をしっかり解決してくれる仲介業者、そして契約後のトラブルを防ぐ取引ができる仲介業者を選びましょう。
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