不動産を売却する場合に間取り図を作って公開しますが、その間取り図の各部屋の広さを書くときに「6帖」とか「8帖」とか帖数が書かれていると思います。
この「帖」ってどれくらいの広さのことなのか知っているでしょうか。
今回はそんな不動産広告における「帖」について紹介していきたいと思います。
間取り図の1帖の広さは?
不動産を探すときにネットやチラシに書いている間取り図を見て「LDKが20帖もあって良い」とか「この6帖の部屋は長男の部屋にして」とか部屋の広さを帖という単位でイメージをする場合が多いと思います。
「でも畳の大きさは地域によって違ったりするんでしょ?」という事も言われたりもしますが
不動産広告においては「何帖」と表記するルールというものもあります。
広告のルールは1.62㎡以上
不動産の広告についてのルールである「不動産の表示に関する公正競争規約」によると
住宅の居室等の広さを畳数で表示する場合においては、畳1枚当たりの広さは1.62平方メートル(各室の壁心面積を畳数で除した数値)以上の広さがあるという意味で用いること。
不動産の表示に関する公正競争規約15条6号
ということが書かれており、1帖=1.62㎡以上というルールになっています。以上ですので下回ってはいけないということで、極端な話ミニチュアの畳を想定して「200帖!」とかはダメですよということです。
後ほど出てきますが、各地域によって和室で使われる畳の大きさが違うという問題があるのですが、この公正競争規約によって表示の最低ラインを設定しています。
平方メートルと帖の計算方法
ということで不動産の広告において
- ㎡表記を帖に変換する場合は、〇〇㎡÷1.62
- 帖表記を㎡に変換する場合は、〇〇帖×1.62
で計算することができます。計算が面倒な方のために大体よく使われる帖数の㎡表記を書いておくと、
帖表記 | ㎡表記 |
4.5帖 | 7.29㎡ |
6帖 | 9.72㎡ |
8帖 | 12.96㎡ |
10帖 | 16.2㎡ |
今回は公正競争規約の最低ライン1.62で計算していますが、地域や企業によっては1.62ではなく、1.65で計算している場合も多いです。
大体で間取図を作って…何帖か出す
実際の不動産売却の場合に帖数をどのように出して間取図を作るのかというと、
新築物件の場合は建築するときの図面がありますので、各部屋の広さが把握できます。㎡表記になっていればわかりやすいように1.62で割って帖数表記に変換して広告用の間取りを作ります。
少しでも広く表記したいので最低ライン1.62㎡で計算するのが普通です。
建物の広さに関しては同じく公正競争規約で「壁芯面積」で表記することになっています。
中古物件の場合はというと、購入当時の資料などに間取図などがあると、それを参考に間取図を作ったり、そういった図面がない場合は現地を見て不動産業者が間取り図を作る場合が多いです。そして自分たちが作った図面を元に「これ何帖やな」って帖数を書く場合が多いです。
不動産営業マンとしては、あまりにも大きさに違和感がある場合しか部屋の縦横の長さを測ったりしないので、場合によっては1.62㎡以下の1帖表記をしている可能性もあるやり方とも言えます。
不動産売却における「帖」のお話
不動産売却における帖のそのほかのお話を紹介していきます。
「畳」と「帖」の違い
このページでは「帖」という書き方を使っていますが、畳という書き方もあります。「帖」と「畳」の違いは明確にはありません。
元々は「畳」という表記を使っていました。日本の家には畳を使った「和室」しかなかったので、畳の枚数を言えば部屋の広さを表現できたわけです。
しかし「洋室」が増えたことにより次第に「畳がないのに〇〇畳って書くのはおかしくない?」という雰囲気になり「帖」という表記が使われ始め、最終的には、和室にだけ「畳」を使うのは面倒なので和室にも「帖」という書き方をするようになりました。
不動産関係者は意識的に「帖」を使います。
不動産屋が「畳」表記するときはもはやパソコンの変換の加減でうっかり使っている時だけで基本は「帖」を使います。
こういったブログやお役立ち情報ページで「間取り図にある1畳の広さは?」と「畳」を使っているページを見ると、「きっと不動産関係者ではないその辺のライターが書いただけの記事なんだろうな」という風に思ってしまいます。
地域による和室の畳の広さの違い
和室に関しては畳がありますので、畳の枚数を言えば良いという事も言えますが、地域によって畳の大きさが微妙に違うという問題もあります。
主に畳の大きさについては4種類あります
名称 | 長さ | 広さ | エリア |
京間(本間) | 95.5cm×191cm | 約1.82㎡ | 主に京都など関西地方 |
中京間(三六間) | 91cm×182cm | 約1.65㎡ | 主に中京地方と東北・北陸の一部地域 |
江戸間(五八間) | 88cm×176cm | 約1.55㎡ | 主に東京など関東地方および全国各地 |
団地間(五六間) | 85cm×170cm | 約1.44㎡ | 団地やマンションなど集合住宅の大部分 |
1番メジャーな大きさというと江戸間といって良いでしょう。
先ほどの不動産広告のルールで1帖は1.62㎡以上でないとダメというルールがありましたが、1番ポピュラーな江戸間が1.55㎡ではダメじゃないかと思う方もいると思いますが、公正競争規約の1.62㎡は「壁芯面積」の話、この地域差の話は実際の畳の大きさの話でどちらかというと「内法面積」に近い大きさの話になります。(ややこしいですが)
我々は京都府の不動産業者なのですが。。。
近畿の昔の家を知る人にとっては今の畳は小さく感じるらしく、最近の新築の和室を購入検討者のご両親など年配の方が見られたとき、「これ江戸間か?小さいな」って言ってマウントを取ってくるのがあるあるになっています。
何帖か書かないと全くイメージ湧かない問題
不動産を検討する場合には、帖数というのは不可欠の記載になります。
9.72㎡と言われても広さをイメージできませんが6帖と言われるとほぼ全員が広さを把握できます。このように何帖なのか記載しないと全く広さのイメージが湧かない問題というものがあります。
それに似た話で、坪数表記と㎡表記問題もありますが、これは意外と㎡表記の方がわかりやすいという人たちが若い世代を中心に広まっています。
まとめ:不動産の間取りに書いてある「帖」の広さは?
- 1帖は1.62㎡に計算されていることが多い
- 不動産の表示に関する公正競争規約で1帖は1.62㎡以上と決まっている
- 和室が主流だったときには「畳」が使われていた
- 畳の大きさは地域によって違う
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