不動産の売買と賃貸で同時募集するときの注意点。

使っていない不動産をどうにかしたいと思う時に、売却して現金化したいと思う方も多いですが、意外と賃貸で募集をかけて収益物件にしたいという方もいます。

賃貸にするか売買にするか決められない場合には両方同時にするという方法もあります。今回はそんな賃貸と売買の同時募集について紹介していきます。

賃貸と売買の同時募集するときの注意点。バランスが重要です。

不動産業者に依頼するとその不動産の借り手を探してくるのも、買い手を探してくるのも両方可能です。もちろん売買専門の業者と賃貸専門の業者もいますので、同じ業者で依頼するのが無理な場合もあります。

売却と賃貸の同時募集って可能ですか？

不動産についてお問い合わせいただいたときに、お客様から「売買と賃貸の同時募集って可能ですか？」と聞かれるときは時々ですがあります。

結論から言うと、売却と賃貸の同時募集も可能です。あくまで不動産を持たれているのは所有者さんですので、それを売主として売る募集をしようが、貸主として貸す募集をしようが、その両方を同時に募集しようが問題はありません。

「売却か賃貸か決められない」とは？

結論同時募集は可能なのですが、その不動産を売却するか賃貸で出すかというのを決められないというのはどういうこと？という部分もあります。

売却するのも出した金額で売れるかも将来のことで不明確ですし、賃貸で貸すのなら尚更将来のことになるのでトラブルなくきちんと収益が上がるかは不明確なことですので、悩むのは当然かと思いますが、正直それは所有者として方針を決めた方が良いでしょうというのが正直なところです。

同時募集というのは裏を返すと、作業を依頼される不動産業者としては、「売るかわからないものの売却募集」と「貸すかわからないものの賃貸募集」をしている状態になりますので、非常に作業が不安定になり両方の成功確率も下がります。

賃貸と売却の同時募集する場合の注意点

そんな賃貸と売却の同時募集ですが、いざする場合にはどのようなことに注意をすべきでしょうか。

賃貸の方が条件が簡単になりがち…

不動産の所有者としての注意点としては、売却募集と賃貸募集について条件を設定するのですが、これは賃貸の募集の方が応募がきそうな条件になりがちということです。

これにはいろいろな原因が考えられます。

まず賃貸相場は売却相場より素人でも把握しやすい部分がありますので、賃貸は相場並みで賃料を設定することが簡単です。ですが売却相場は不明確な部分が多くなりますので、心理的に損をしたくないという気持ちになり高めの価格設定になるのです。

また賃貸で貸すというのは所有者にとって所有権を失う決断ではありません。ですので「これくらいでいいか」という賃料設定ができますが、売却はそれに比べて重大な決断になりますので、こういった意味でも価格設定が慎重になり高い価格で出しがちです。

このような理由で大体が「賃貸の方が決まりやすい」同時募集になるので、売却側がほとんど機能していない「ただの賃貸募集」になりがちです。

賃貸の方を先にやった方が良いのでは？

我々もどちらというと売買メインの不動産業者ですが、そんな売買の不動産業者からすると、賃貸と売買の同時募集したいんですけどと言われると

っていう話になりがちです。これはなぜかと言うと、同時募集なんてめんどくさいからという部分もありますし、先ほど言ったようにどうせ賃貸の方が決まりやすい話になるという部分もあります。

しかし本質の話でいうと、同時募集を望むお客さんは売買メインの不動産業者にとっては、「まだ売却の覚悟ができていないお客さん」になるからです。

そんな方の物件に対して「欲しいです！」という購入希望者を見つけてきても、やっぱり売るのはやめますと言われると努力が無駄になります。

不動産売却の活動は売主にとっても不動産業者にとっても重要な出来事ですので当事者の覚悟があるのかが見られているということです。

両方やっている業者に依頼するにしても問題が…

同時募集する場合に賃貸に関しては「賃貸専門の不動産業者」、売買に関しては「売買専門の不動産業者」に別々に依頼するのが基本です。

時々「うちは賃貸も売却も両方やっているから、うちで両方同時募集できますよ」ってパターンはあります。ですがこれは正直意味ありません。

どの不動産業者でも不動産営業マンでも賃貸と売買のどちらが得意でどちらが不得意というのはあります。同じだけできるなんてことはないです。ですのでどうしても「その業者が得意な方に単独募集しているのと同じ」同時募集になりがちです。

また仲介手数料の観点で言うと、売買の方が多くなりがちです。そうなると賃貸募集は形だけで動いているふりをして売買の一択で不動産業者は動いているというパターンにもなりがちですので注意が必要です。

賃貸見つけてからの売却を狙う場合も

賃貸で募集して借り手が見つかっても、所有権はまだ自分にあるので、その賃貸人がついた物件を収益物件として売却するという方法もあります。

一般利用する入居者を探す売却と収益物件としての売却は、売却の意味合いが違うので売却募集の方法も変わってきますが、売却は売却です。

こう言った意味では賃貸と売買の同時募集もいいかもしれません。

1. このままで買ってくれる人がいるなら売却はする。
2. 賃貸が先に決まったら入居してもらう。
3. その上で条件変更して収益物件として売却はする。

こういった作戦であれば、賃貸募集も売却募集もある程度両立した同時募集ができるのかなと思います。

まとめ：賃貸と売買の同時募集するときの注意点。バランスが重要です

• 賃貸と売買で同時募集するのは可能
• 賃貸の条件の方が決まりやすく設定しがちに注意
• 売る覚悟を持っていないと売却を断られるので注意
• １社で同時募集は微妙なので注意
• 二つのバランスを取るのはプロでも難しい

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