不動産鑑定とは?「査定」との違いは何?どんな時にするの?

不動産鑑定士がする鑑定は? 売却の基礎知識

不動産を売却する場合に普通するのが、不動産の価格査定ですが、それとは別に不動産鑑定士が行う「鑑定」というものがあります。

おるすま内田
おるすま内田

一般の方は不動産「鑑定」は利用する機会は少ないと思いますが。。。

今回はそんな不動産鑑定について、査定との違いなどを紹介していきたいと思います。

不動産鑑定士がする「不動産鑑定」とは

YouTubeおるすまチャンネル「不動産鑑定と査定」

不動産の価値を知るというところについては同じような内容ですが、不動産業者がする価格査定と不動産鑑定士がする不動産鑑定は別のものです。

鑑定と査定の違いは何?

不動産の鑑定と査定とどう違うのかというと、分析の細かさや価格の信頼度の違いといえます。

不動産会社が出す「査定」は、その不動産会社がもし売り出すとなったら「これくらいで売れると思います」というような売却できそうな価格になります。

それに対して「鑑定」は法的な効力を持たせたいときに使われる価値の算定方法になっており、国家資格を持つ不動産鑑定士が行います。相続や離婚などにより不動産の価値を確定しないと正確な分配が不可能な場合に行われることが多いです。

不動産の価値を決めるというような側面で言うと同じですが、その価格に法的な効力を付け足したい場合には鑑定、それ以外の価値を知りたいだけの場合は査定というような使い分けがされているのが現実でしょう。

また不動産の査定は媒介契約をもらうのが目的で金額を正確に出す意識が低い部分があるのと、不動産鑑定は金額を出すことを目的に仕事をするので正確性が高いという部分があります。詳しくは高め査定価格のページをご参照ください

不動産鑑定士しかできない独占業務

不動産の鑑定業務は不動産鑑定士しかできない独占業務になります。全然メジャーとはいえない資格ですが、弁護士・公認会計士と並ぶ三大国家資格と言われ、最終的な合格率は2〜3%。そして全国に9000人ほどしかいない珍しい国家資格になります。

毎年公表される公示地価や固定資産税の算定に関わるような公的な仕事のほか、先ほども紹介したような離婚や相続などの分配時などにおける価格算定のようなものや、金融機関に抵当権設定の際の担保評価に関わるような民間の仕事まで、鑑定の目的は多岐にわたります。

不動産鑑定はいくらくらいでできる?

それでは不動産鑑定はいくらくらいでしてもらえるのでしょうか。どんな不動産を鑑定するかによって作業の量も変わってきますが、20万円〜30万円が相場と言われています。

不動産の査定は不動産業者が無料でやってくれるますが、これは先ほども説明したように不動産業は価格を査定し売却依頼を受けて、その不動産の売却に成功した場合に仲介手数料という報酬をもらえるというシステムになっているだけです。

逆に不動産鑑定の方は算定した価値に法的な裏付けをつけたい時に使われるもので、鑑定サービスを売っているということになります。

不動産鑑定はどんな時にするの?

不動産鑑定とは

不動産鑑定は基本的には、価格に法的な根拠をつけないといけない時です。財産を複数人で分配しているときに、「いやこの金額の算定の仕方自体がおかしいからこの価格が間違っている」ということになるとまとまるものもまとまらなくなります。

そういった時に不動産鑑定を利用するイメージを持っておけばいいでしょう。

鑑定を依頼すべき場合

一般の人が鑑定を依頼すべきパターンは、「相続」か「離婚」の場合が多いと思います。

相続・離婚の場合は絶対しないといけないかというとそんなことはありません。不動産鑑定を利用すべき場合としては「相続・離婚で揉めているとき」が挙げられるでしょう。

こういった内容で分割する当事者が争わず「この財産はあげるけど、あの財産はもらう」という風に納得している場合はあえて不動産鑑定をする必要もありません。ですが、分配で揉めているときは不動産の価値を算定して公平に分配するよう手続きをしないと話がまとまりません。そういった時に価格の算定くらいは法的にこれが正しいという金額を出さないといけない時に不動産鑑定が使われるわけです。

離婚や相続でも財産分与に争いがない場合は「査定」する意味すらありません

査定でいい場合

逆に査定でいい場合というのは、不動産を売却する時になります。

売買価格を知りたい場合や実際に不動産を売却する場合には売却の専門家である不動産会社の人間に価格を査定してもらう必要があります。

不動産の価値が知りたい場合の中で、上記で解説した「鑑定」すべき場合以外は全て査定で大丈夫です。

不動産鑑定はどのようにするの?

不動産鑑定士の不動産鑑定

それでは不動産鑑定はどのようにするのでしょうか

不動産鑑定士事務所を探す

当然ですが不動産鑑定は不動産鑑定士しかできませんので、鑑定士事務所を探します。鑑定業務は査定業務とは違いそれほど地域性に関係することも少ないですので、地域の事務所を選ぶというような要素は少なめになります。

不動産鑑定の実績であったりというところで選ぶことになります

不動産鑑定を依頼する

不動産鑑定士事務所が決まったら、不動産の鑑定を依頼します。事前に鑑定の費用などを見積もりしてもらい金額などの条件が固まった上で委託契約という契約書に署名押印します。

鑑定をしてもらう

鑑定作業は現地に赴く実地調査と役所などで行う役所調査の2種類があります。役所では権利関係やライフラインの状況など行政が把握している情報を調べます。下記のような書類をとります

不動産鑑定評価業務依頼書
固定資産税(都市計画税)納税通知書
登記事項証明書
住宅地図
公図
地積測量図
建物図面、各階平面図(建物がある場合)
道路台帳
上水道配管図
公共下水道台帳
ガス配管図

物件によっても変わってきますが、鑑定作業は数週間かかる場合もあります。

鑑定評価書の交付

最後に不動産鑑定評価書の交付を受けて終了になります。

鑑定評価書には、評価対象となる不動産の状況や、該当地域の人口推移、交通状態、競合する不動産の状況など様々なデータが記載されておりその一つ一つに対して、不動産鑑定士による分析が行われています。

まとめ:不動産鑑定とは何か

  • 法的な効力がある価値算定をしたいなら「鑑定」
  • 売却目的などで不動産価値を知りたいなら「査定」

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おるすま内田
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この記事を書いた人
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内田 隆一

株式会社おるすま代表取締役
不動産営業歴13年の経験と実績で不動産売却から購入までフルサポート。
奈良生まれにも関わらず、事務所を木津川市に構え、自身も木津川市在住の木津愛溢れる不動産エージェント。
皆さんの不動産売却を全力で応援します!

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