不動産売却で「業者買取」を営業マンに勧められたけど、それって何なの?

不動産売却の裏話

 仲介業者の営業マンと話をしているとほぼ間違いなく、「業者買取」について説明されたり勧められたりします。

おるすま北脇
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不動産業者の中には買取だけをやたらと強く推してくる人もいます。それにはある秘密があります。

業者買取のメリットやデメリットをよくわからないまま、契約まで進んだという売主もたくさんいます。 なぜ仲介営業マンが業者買取を強く勧めてくるのかその背景や、「業者買取」のメリット・デメリットを解説していきます

不動産売却時の業者買取とは?

不動産売却における業者買取

まず、そもそも業者買取って一体なんなのか説明させてもらいます。

「不動産業者」が買主になる売却

 世間でいう不動産売却のイメージは、一般人の売主が、一般人の買主に、仲介業者を通して販売するという形が多く持たれていると思います。このような「買主=一般人」である場合を「エンド売買」と言います。

一方、「買主=不動産業者」である場合を「業者買取」と言います。不動産業者の中にも私たちのような仲介業者もいれば、物件の買取に特化した買取業者もいます。中には仲介と買取の両方をやっているところもあります。

「エンド売買」と「業者買取」の違い

 エンド売買の場合、過去の成約事例や現在の販売相場とほぼ同じ価格で取引されることがほとんどです。言い換えれば、現在の最も高い相場で売却することができるということになります。しかし、高い相場で販売する点、成約までに時間がかかることがあります。

一般人への売却ですから、景気の変動や社会情勢の影響も受けやすいため、物件の中には、1年以上売れ残っているものもあり、やむを得ず販売価格を下げるという事態に陥ることもあります。 また、一般人への売却である以上、ネット広告やチラシ配布などが必要のため、誰にも知られずに売却することは不可能と言えます。

 業者買取の場合、買主である不動産業者は、買い取った物件を更地にして新築を建てたり、中古物件をリフォームしたりして、付加価値をつけて再度販売(再販)していくことになるので、仕入れをする際は、相場価格の6割~7割程度の価格で物件を買い取ります

つまり、売主にとって業者買取は「安く買われてしまう可能性が高い売却方法」ということになります。価格が安くなる半面、業者にすぐに売却できるため時間もかからず、すぐに不動産を現金化することができます。売却情報を公開する必要もありません。

★エンド売買・業者買取のちがい(表)

不動産売却における業者買取

業者買取でも高く売れる?

 現在、買取をしている不動産業者は年々増えており、大手から小さな地場業者までたくさん存在します。一方で、業者買取に出される物件数は多くないため、物件を買いたい業者同士での壮絶な競争が生じており、エンド売買と同じ相場価格で買取されるケースもたくさん出てきています。

業者買取で最大のデメリットである「安く買われる」という点が解消されれば、早く高く現金化することができ、最強の売却方法と言うことができます。

 このような現状を踏まえて、高くても買いたい業者を競わせて、早く高く売却するという方法もあります。そのためには、複数の業者に買取金額を提示してもらい、どの業者が最も高く買ってくれるのかを明確にする必要があります。

 悪徳不動産業者は、自分が提示する価格が他社よりも高いということを根拠なく言ってきます。提示価格が最も高いかどうかは、相場価格と複数の業者からの提示を見比べなければわかりません。業者買取で売却を進める際は、必ず複数の買取業者から価格を提示してもらいましょう

仲介営業マンが「業者買取」を強く勧める理由

不動産売却における業者買取

不動産売却を依頼した不動産業者がやたらと業者買取をすすめてくる場合があります。

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これはもちろんその不動産仲介業者にメリットがあるからです。

それでは業者買取をめちゃくちゃすすめると仲介業者にどのようなメリットがあるのか紹介していきます。

「業者買取」は必ず「両手取引」

 売主が業者買取を仲介に依頼すると、仲介業者は買主になる不動産業者に買取を依頼します。売却価格などさまざまな条件が合えば、契約、決済(引渡し)に進んでいきます。この場合、仲介業者は売主からも仲介手数料、買主の不動産業者からも仲介手数料をもらえる「両手取引」になります

つまり、業者買取でまとめれば、短期間で両手取引を達成することができ、仲介業者にとっては一番おいしいことになるわけです。

 さらに、取引終了後も仲介業者にとって「おいしい」ことが起こります。

買取業者が再販売するときの仲介手数料も狙える

買取業者に買い取られた物件は、新築が建てられたりリフォームされたり、新たな物件として販売(再販)されます。物件を買った買主は、次に売主となるのです。

不動産物件の再販は誰が行うでしょうか。はい、ご想像の通り、買取業者に物件を紹介した「仲介業者が再販を担当」します。このように、仲介業者が紹介した物件の再販を担当することを「専任返し」と言います。仲介業者は物件の再販を担当することで、またまた利益を上げることができるわけです。

この再販売も両手取引になれば、一つの物件で仲介手数料が4倍になるというわけです。一般的に専任返しの期間は3か月ほどの期間限定になることが多いですが、それでも3か月の間物件の販売を独占できる権利は仲介業者にとってはとてもありがたいものです。

 売主が業者買取のデメリットを把握した上であれば問題ありませんが、十分な説明もないまま、仲介業者の言うがままに業者買取で契約している場合も散見されます。仲介業者からしつこく業者買取を勧められた場合は、仲介業者の利益のみを追求しているのではないか?と疑って警戒した方がよいでしょう。

★おいしい仲介業者の図

仲介業者を通さない「業者買取」

 業者買取は、先に説明した仲介業者を通して売却する方法と、仲介業者を通さずに直接買取業者に売却する方法があります。買取業者が売主を直接訪問したり、DMを送ったりして、商談に持ち込み、契約するという流れです。

仲介業者を通さない業者買取の最大のメリットは、仲介手数料がかからないことです。契約書やその他手続きなども、買主である買取業者が進めてくれますので、手続き上の煩雑さもありません。

 しかし、買取業者と直接交渉していると、提示された買取価格が相場に対して適切か否かを判断することは、一般人の売主にとっては難しいでしょう。また、複数社と相見積もりをとる場合でも、多くの業者とやり取り・比較をしなければならず、とてつもない労力を要してしまいます。

そもそも、一般人が自分で業者を探しても、ネットの上位に出てくるは大手の買取業者のみです。高く買ってくれやすいのは小さな地場業者である場合が多いですから、仲介業者に大手から地場業者まで幅広く紹介してもらう方がよいです。さらに言えば、契約内容に、売主が不利になる文言や項目がないかを確認・判断することも難しいのではないでしょうか。

 業者買取で売却したい場合は、仲介業者を通すことで、買取価格が最も高い業者に売却でき、かつ取引内容を心配することなく売却することができると言えます。できる限り高く売りたい売主と、できる限り安く買いたい買取業者ですから、話が嚙み合わないことは当然です。

一般人である売主が少しでも有利に商談を進めるためにも、プロの仲介業者を雇った上で、業者買取を進めていくべきです。売却価格を高く伸ばすため、かかる労力を減らすため、仲介業者を活用することをお勧めします。

まとめ:「業者買取」を営業マンに勧められたけど、それって何なの?

  • 業者買取は売却価格が相場よりも安くなる
  • 必要以上に業者買取を推してくる仲介業者には要注意!
  • 業者買取を希望する場合は、仲介業者に高額買取してくれる買取業者をたくさん紹介してもらう

今回の記事では、業者買取の裏事情まで詳しく解説しました。エンド売買と業者買取のちがいをしっかり把握した上で、自分の希望に合う売却方法がどちらなのか、よく検討しましょう

おるすまの売却サービスをご紹介

 おるすまでは、売主様の希望に合わせた売却方法をご提示します。価格重視であれば「エンド売買」、早さ重視であれば「業者買取」など、売主様の希望をしっかりヒアリングして売却方法ご提案します。それぞれのメリット・デメリットのご説明を受けていただき、売却を進めていただけます。もちろん、売却の途中で方法を切り替えることもできます。

 業者買取の場合は、10社以上の買取業者による「買取オークション」も実施し、買取価格が最大の業者を選んでいただくこともできます。

 売却をご検討中の方は、お気軽におるすまにご相談ください。

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おるすま内田
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この記事を書いた人
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北脇敏寿

株式会社おるすま
不動産売却担当
大手不動産会社で不動産売却を担当。多くの売主様の相談に乗り、それぞれの物件に応じた販売戦略を立案、早期売却を目指します。何より誠実かつ正直に、お客様の立場でご対応します。不動産のことなら何でもご相談ください。

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