不動産売却の広告を見ていると「買取保証」というサービスを目にすることがあります。
その名の通り売れないと最終的には買い取ってくれるよってサービスのことです。
不動産売却において「誰にもどの金額でも売れない」という物件もそれほど多くありませんが、売主さんにとっては売れるかどうか心配なもので、最終的に買い取ってくれるのを保証してもらえるというのはありがたいことかもしれません。
今回はそんな不動産売却における買取保証について紹介していきたいと思います。
不動産売却の買取保証とは
不動産売却には一般の人の中から購入希望者を募る「仲介」とその不動産業者が直接買い取ってしまう「買取」というものがあります。そんな買取の中でも
- 一旦仲介で購入希望者を募集しておいて
- その後売れなければ買取をします
という形を取るのが「買取保証」のサービスということになります。
そんな買取保証にもメリットとデメリットがあります。
買取保証のメリット
買取保証のメリットは、
- 売却できることが確定しているので計画が立てやすい
- 即時買取よりも高く売れる可能性が残されている
という2点になります。
まず買取が保証されているわけですから「一定の期間内売却できることは確定しています」のでその後の計画が立てやすくなっています。仲介で販売する場合は、この期間内に購入希望者が現れるという確証はないため期限がある場合には向かない場合があります。
またただの買取と違って一般の方に販売する機会もありますので、市場価格で売れるという可能性もあります。
買取保証のデメリット
買取保証のデメリットも2つあります。
- 即時買取よりは時間と手間がかかる
- 結局買取になると市場価格より低い金額での売却になる
というところです。
やはり買取保証となると一般の方の中から購入希望者を募る時期もありますので、内覧してもらったり価格の交渉について検討したりと手間はかかりますし、売却成立までの期間は長くなります。
そして結局その期間内に売れないとやはり不動産買取ということになりますので、市場価格より低い金額で売却することになります。即時買取のところでも解説しましたが、市場価格の7割から8割くらいの買取金額になることも多いため仲介で販売するよりは損になります。
買取保証と即時買取
買取保証と即時買取の違いはやはり「即時」なのか「一旦仲介販売してみるのか」の違いになります。
基本的には不動産買取という同じサービスですので買取金額は変わりません。ですがどちらかというと即時買取の方が価格が高くなる傾向にはあります。
買取保証は不動産業者としては買い取るということも約束しないといけない上に仲介販売で高く売却するというミッションもあるわけですので即時買取と比較すると負担が大きくなります。
逆に即時買取は「今決断してくれるならこの金額で!」という営業トークではありませんが、買取価格を高く設定する場合もあります。
不動産売却の買取保証の裏話
ここからは不動産売却の買取保証についての裏話を紹介していきます。
買取ために仲介販売活動がやる気なし
不動産業者にとっては買取保証は、①仲介で高くその不動産を売却するミッションと②買取で安くその不動産を買い取るミッションの二つのある意味相反するミッションがあります。
完全に相反しているわけではありませんので成立はします。それぞれミッションの時期が違いますので。
ですが当事者は同じなわけでどうしても心理的な葛藤は生まれてしまいます。
買取保証してるけどできたら仲介で片付けたい!と思っているケースは最高で仲介販売に全力を尽くして短期間で成果を上げてくれるケースもあるでしょう。
ですが多く場合どんな心境になるかというと、買取でも再販売したら儲かるし仲介販売期間はまあまあ頑張っているフリでもするか、というような感じになります。
これはどこの業者がどうというわけではありません。人間の心理としてどの不動産業者もそうなりがちという部分がありますのでこの部分は注意が必要です。
買取保証付き!の広告表現
こちらも即時買取のところで説明しましたが、「金額が折り合えば」買取保証付きという意味です。金額が折り合わないと当然買取もできません。
極端な話をすると「あなたの不動産を一旦市場で1000万で売ってみて、それで売れなければ1円で買い取らせてもらう事は可能です。」という話も買取保証つきの提案と言えます。ですので「不動産売却において弊社は買取保証をつけています」といっても全不動産業者は嘘をついていることにはならないということです。
買取の不動産広告に関してはこの「金額が折り合えば」の部分がありますので何を書いていたとしても「その選択肢もあります」くらいの表現であってそんなに凄いサービスが存在している事はありません。
実際にはそんなに多くはない取引形態
この買取保証というサービスは、普通の流れとしては専属専任媒介か専任媒介契約を締結することになりますが、その契約書の特約の中に「〇〇までに売却が成立しなければ〇〇万円で買取をします」という内容を入れるという形になります。
ここまできっちりと買取保証をする不動産売却が多いかと言われると実際は結構少ないです。不動産売却においては「仲介」と「買取」に分かれると言いましたが、仲介を望む方はできるだけ高く売りたい、買取の方はすぐに処理したいという希望を持たれています。結構はっきり2分されていて中間の買取保証の方は少ない傾向があります。
先ほども言いましたが買取保証は両方の良いところをとっているようで、不動産業者としては仲介期間のサービスが適当になったり、買取の金額も高くなりづらかったりと両方のデメリットを強化している部分もあり、よく考えるとお客様にも選ばれづらいサービスだったりします。
そういう意味では買取保証の媒介契約の時が一番不動産業者選びの質が問われるかもしれません
まとめ:不動産売却の買取保証
- 買取保証とは一般販売して売れなければ買い取ってくれるサービス
- 仲介と買取の中間というような戦略
- 両方の良いところと悪いところがある
- 買取ために仲介販売を手抜きする可能性も高いので注意
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