不動産の売却募集の広告やチラシに「即時買取」「即金買取」というようなフレーズが書いてあることがよくあります。
その言葉の通りすぐに買い取って現金化できますというような意味です。
あれって本当に買い取ってくれるの?即時買取のメリットとデメリットについて紹介していきたいと思います。
不動産の即時買取サービスとは
不動産を売却する場合には、不動産仲介と不動産買取の2種類があります。不動産仲介は不動産業者に仲介してもらい自分の不動産を一般のその物件が欲しい方に売却する方法です。不動産買取は不動産業者が直接その物件を買い取るという方法です。
即時買取って何?
即時買取というと、そんな不動産買取の中でも「即時」に買い取ってくれるサービスのことです。
不動産仲介で売却するとなると購入するお客さんを探さないといけませんので、「すぐに」というわけにはいきません。ただ買取の場合は不動産業者が買取を決断すればいいだけですから「即時」に売却が可能ということです。
即時買取のメリット
不動産売却の場合、即時買取してもらうメリットは3つあります。
- 売却完了までの期間が短い
- 売却の手間がかからない
- 仲介手数料を支払う必要がない
というようなことです。
即時買取の一番のメリットはやはり早いということです。一般的に仲介で販売するとなると購入者を見つける必要があるため、平均でも3〜4ヶ月ほどかかってしまいます。ですが即時買取の場合は売却が完了するまで1週間ほどしかかからないケースも多いです。
また売却の手間がかからないのメリットです。売却活動は仲介業者に任せるとはいえ売主にも「価格の変更や交渉を検討」したり居住しながらの売却であれば「内覧の対応」もしないといけなくなります。しかし即時買取ならそういった作業は全く必要ありませんので手間もかかりません。
また不動産業者が直接買い取る場合には仲介手数料もかかりません。不動産売却の諸費用の中でも仲介手数料は大きな比率を占めるので費用負担が減るのも大きなメリットです。
即時買取のデメリット
逆に即時買取のデメリットは、相場より低い価格で売却することになるということです。
不動産業者は買取してその不動産に住んだり使ったりするケースはほとんどありません。そのままもしくはリフォームやリノベーションをして再度販売していきます。そうなると当然それに伴う工事費用や人件費や広告費などを計算し、さらには利益を上げないとビジネスになりませんので利益分も考えて買取をしないといけません。
そうなると市場価格の70%か80%くらいの価格で買取が成立する場合も多くなり、売主からすると売却で得られるお金は少なくなるというデメリットがあります。
即時買取と買取保証との違い
同じ不動産買取でも即時買取の他にも買取保証というものもあります。
買取保証というのは最初に不動産会社に仲介を依頼して買主を探し、ある一定期間が経過しても買主が見つからなかった場合に不動産会社に取り決めていた価格で買い取ってもらう保証を付けることを言います。
買主を探して少しでも高く売却する仲介と早く売却を成立させる買取の中間をとったような仕組みになっています。
即時買取ですぐに不動産売却を完了させたい人も多いかもしれませんが、一旦購入希望者がいないか確かめてみるのも大切な作業です。数ヶ月間不動産売却市場に出してみて買取以外の方法も試すことができるのが買取保証というサービスになります。
即時買取の本当のところ
次に不動産売却の即時買取の本当のところという感じで、不動産業者ならではの裏話をしていきます。
「誰が」即時買取してくれるの?
よく不動産売却の広告に「即時買取可能」というような文言を目にしますが、実際は全部の業者が即時買取できるわけではありません。即時買取するには当然ですがその会社にお金がないとできないわけですから、会社によって「直接」買取できる金額というものには限界があります。
それでも即時買取可能というように記載したりするのは、自分たちが直接買い取れないような物件であった場合にも「買取専門業者」などに依頼して買取をさせるケースも含んで買取します!って言っている場合も多いです。
こういった場合は先ほど説明した即時買取のメリットで言うところの仲介手数料がかからないという部分はなくなる場合もあります。買取専門業者に数社当たって一番高く買い取ってくれるところを探しもらう作業をしてもらっているので仲介手数料がかかる場合も多いでしょう。
このように「即時買取」という謳い文句であっても「直接」買い取るとは言っていないところがポイントになります。
最短2日で現金化できます!などの表現
即時買取の広告表現としては「最短2日で現金化できます」というような表現も見受けられます。
これも嘘はついていないので広告的にはセーフです。
金額が折り合い売主側の書類などが揃っていれば最短で2日と言わず、当日にも現金化することもできます。
ただ当然金額が折り合えばという話になってきます。極端な話をすると1000万円の価値のあるあなたの不動産を1円で買い取りますっていうことで納得ができるのであれば最短2日で現金化できるということも即時買取の提案になるので、即時買取可能も嘘ではないということになります。
そんなに急いでること本当にある?問題
ここまで不動産売却の即時買取について読んでいただいて、多くの人が「そんなに損してまですぐに売却したい人なんているの?」という風に思ったかもしれません。
ただ即時買取のケースも意外と多くあります。一つ目はやはり急いで現金化しないといけないパターンで、借金の返済に追われていたり、離婚などの他の事情で期限が決まってしまっている場合もあります。
また不動産の買取で多いのが低価格帯の物件になります。売れるかどうかすら不安というレベルの物件などになると買取でも納得がいくケースも多くなります。また損をする金額も低価格な分少なくなりますので、手間なくすぐ現金化できるメリットは大きくなります。
まとめ:不動産売却における即時買取
- 即時買取はすぐに現金化できて手間もかからない
- その代わりに市場価格より低い金額での売却になる
- 時間があるなら仲介での一般販売や買取保証型も検討すべき
- 直接その不動産屋が買い取るのか、買取専門業者を仲介してくれるのかも確認が必要
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