不動産売却をしていて売れないと悩んでいる人も結構多いと思います。そんな時の抜本的な解決策はというとやはり価格を変更することです。
売れない理由は価格にある場合も多いですから。
そうは言っても、どのタイミングで価格を変更するべきなのかわからないという方のために今回は不動産売却における価格変更の時期について紹介していきます。
不動産売却で値下げのタイミングはいつ?
不動産売却をしているとなかなか売れなくて困っているという状況もありえます。売主さんもそうですが、
僕ら不動産業者も困っている場合も多々あります。やれること全部やったぞって感じで。
特に不動産の一括査定サイトを利用して売却依頼をした場合などになると、高額な査定価格が出やすい状況になりますので、「その値段ではなかなか売れないでしょうね」という状態で販売している場合もあります。
では、そんな中々売れない状況の場合には、どのタイミングで価格を変更すればいいのでしょうか。
大前提としては売主さんのご意志次第
大前提として不動産売却で価格を変更するタイミングというのは売主さんの意思次第です。
それが「わからん」から聞いてるんやって話ですが。
一般の素人である売主さんは価格変更のタイミングを判断できないと思います。ですが極論(私を含めて)不動産業者も価格変更のタイミングを正確に判断できる人なんていないというのも事実です。
例えばスーモやホームズ・アットホームなどの閲覧数などを見て判断できなくはないですが、物件種別も土地面積も間取りも接道も方角も前面道路幅員もその週やその月の市況も全然違う中、価格以外の色々な他の要素がある中で「粘れば売れるか」「変更すべきか」を判断するのはプロでも困難です。
個人的には「分析力高いからわかります」感を過剰に出す不動産屋が嫌いです。
不動産屋も皆さんが思っているほどわかっていない。というところを大前提として押さえておいてほしいということをまずご理解ください。
3ヶ月くらいが価格改定の目安?
そんな不動産業者の言うことは正確な場合は少ないという大前提もありつつ、さらには物件の状況や今の価格にもよるという話もありつつですが、
今度はあえて過剰にわかりやすく期限をいうと。
価格変更のタイミングは3ヶ月くらいで検討してはいかがと思います。これは当然販売計画にもよります。売りきる目標の期間を短めに設定している場合はもっと早くに動くべき場合もありますが、一旦3ヶ月を目処に見てみましょうという部分があります。
あとでも書きますが、不動産業者としては早く価格を変更してくれた方が売れて手数料がもらえる確率が上がりますので、もうちょっと早め値下げの提案が普通です。
ですが一旦3ヶ月くらいかなという感覚で取り組んでみてはいかがでしょうか。
物件種別によって値下げ時期も違う
不動産売却において価格変更のタイミングというのは、先ほども言ったような色んな要素や、いくらで売り出しかというようなことも関わってきますが、物件種別によっても変わってきます。
マンションと一戸建てでは一般的にはマンションの方が価格改定のスピードが早めという風に言われたりします。
マンションは似通った条件の他の部屋が売りに出ていたり、成約事例などもあったりします。ですので売れない要因が複数ある中で戸建よりも「価格要因」というのが大きくなっている場合が多いです。
同じマンション内の競合物件との直接対決感もあるので、早く下げて集客したい部分もあります。
それに対して一戸建ては例えば同じ町内だったとしても
- 筋が一本違う
- 建物の向きが違う
- 土地の大きさが違う
- 間取りが違う
- 建てたハウスメーカーが違う
- 築年数が違う
というようなことでマンションよりも売れない要因が「価格」以外にもありそうな状況の場合も多く「もうちょっと粘る価値があるのではないか?」という判断になりやすくなります。
このように物件種別がマンションなのか戸建てなのかによっても値下げのタイミングを変えていく必要が出てきます。
改定のタイミングより計画のすり合わせが重要
このような感じで、価格改定・値下げのタイミングは
- 不動産業者も将来のことはわからないです。
- 売主さんの考え方にもよります。
- 売出価格・販売状況によります。
- 3ヶ月とか目処に早くしたり遅くしたり考えてみては?
というようなことなのですが、重要なのは価格改定のタイミングより、販売計画のすり合わせです。
我々不動産業者も「この売り出し価格は高すぎるのではないかと思う」「出せば動きがある価格と考えています」というような感覚とともに、「これくらいの期間でまた相談しませんか?」というような計画をお伝えしますし、売主さんとしてもそれに対する感想を伝えておくのが重要です。
業者は「無理でしょ」って思ってて売主が「売れる」って思っているのが一番悲惨です。
価格改定のタイミングには答えはありませんので、同じようなプランのもと今どのようなフェーズで不動産売却活動を頑張っているのか不動産業者と売主で理解をしあわないといけません。
価格変更のタイミングの経験談
このように価格変更のタイミングについて「3か月を目処に」とか言うてますが、この私に売り出しから1ヶ月くらいで価格変更を勧められた人も探せばいると思います。
1ヶ月で値下げ提案しろって言われていた話
私が昔勤めていた不動産仲介業者では、売り出しから1ヶ月くらい経ったら値下げ提案をした方がいいのではないか?と上司から指令が飛んできていました。
やはり不動産業者にとっては売れてナンボの世界です。売れないと仲介手数料は入ってきませんし、売れない間は物件の管理コストや広告コストもかかりますので、売れない期間は短ければ短い方がいいのです。
私が不動産業に入ったくらいの昔々の話をすると、ネット集客というのが盛んになり始めてはいましたが、まだまだ紙の新聞折込チラシが活発な時代でした。しかし新聞折込も毎週するわけではなく月1から月2のペースでしていたのですが、その月は月1で売り出しから1ヶ月弱くらいの時に…店長が、
「そろそろ価格改定の打診をしてみたらどうや?」
と言い出しまして、私は「これまだ折り込み広告してませんよ?次が初登場ですよ?」って確認しました。すると、「初登場で売れやすい価格にした方がいいやろ」って言ってました。店長もそれが仕事ですからね。仕方ないと思いつつ。
流石に気早すぎん?って思いました。
そんな感じで上司や会社からのご指導で価格改定の打診を売主にしているケースもあります。
価格変更のタイミングを擦り合わせしたがらない理由
また価格変更のタイミングよりも売主さんとの販売計画の擦り合わせが重要と言いましたが、この擦り合わせもしたがらない不動産営業マンがいます。
これは「言ったことに責任を取らないといけない病」というものなんですが、売主さんに「この金額でいけると思いますんで…」とか言っちゃうと売れなかったらヤバいから言わないようにするというような心理です。
不動産営業マンは先の上司の例のように、上司や会社に言ったことについては後で違うことになった場合にちょっと怒られるという環境で生活をしているため、色んなことに過剰に保険をかけて話を進める癖がついている人が多いです。
そういったところが売主さんとの打ち合わせにも出てしまい、なかなか将来的な販売計画の擦り合わせをしたがらず、売主さんに「理解させないような状態をあえて作って」販売活動を進める不動産営業マンがいたりします。
値下げした時に来た購入検討者は…
最後に価格変更のタイミングでやはり購入検討者はたくさんくるもので、これは基本的には「価格を変更したから来たお客さん」という位置付けで問題ないわけですが、そうは言ってもやっぱり価格変更のタイミングにたくさんの問い合わせが来てしまうと、
- 値下げしすぎたんじゃね?
- いや…値下げしなくて良かったんじゃね?
って思うことがあります。潜在的なお客さんがこんなにいたのなら従前の価格でも、何か違う取り組みしたらいけたんじゃないかって思ってしまうわけです。売主さんの為を思えばたくさん問い合わせがあるのはいいことで嬉しいのですが、逆にそこまで爆発的に問い合わせが発生しない方がホッとする自分もいるくらいです。
売主さんと考え抜いて動いたタイミング、値下げ幅が「正解」なはずですが。
まとめ:不動産売却で値下げのタイミングはいつ?
- 不動産売却の値下げのタイミングは売主さんのお考え次第
- 売り出しから3ヶ月を中心に臨機応変に検討を
- マンションは戸建てより価格変更早め
- 不動産業者としては早めの価格交渉が嬉しい
- 価格変更のタイミングより販売計画の擦り合わせが重要
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