あなたの土地を買いたい!から始まる測量費振込め詐欺【原野・山林】

原野商法2次被害・測量費用振り込め詐欺 不動産売却の裏話

地方で不動産売却業務をしていると事務所に時々こんな電話がかかってきます。

〇〇の山林を所有しているんですが、あそこって近々大規模な開発があったり老人ホームの建設が予定されてたりするんですかね?

普通に地域の開発計画に関するお問い合わせと見せかけて、これは大体、詐欺業者から電話がかかってきた後に色々調べている方のお電話です

おるすま内田
おるすま内田

大体が測量費などを前払いさせることを目的とした詐欺です。

今回はそんな原野や山林をお持ちの方にかかってくる詐欺電話のお話をしていきたいと思います。

原野商法の2次被害・測量費振り込め詐欺とは?

原野商法2次被害・測量費用振り込め詐欺

測量費振り込め詐欺と言っていますが、費用は測量費だけではなく、販売活動費とか司法書士への冬季費用とかなんでもありです。さらに振り込みではなく対面で払わせるケースもあります。

どんな感じで詐欺が行われるのか解説していきます

詐欺の手法はまず電話から

詐欺の手法はまず電話がかかってきます。手紙の場合も無くはないですが効率が良くないので電話です。そして電話の内容は「あなたが所有する〇〇の土地を買い取らせて欲しい」「あなたの土地を買いたい人がいる」というような連絡です。

そのように持ちかけ普通は自宅訪問になんとか漕ぎつけようとします。そして実際に会ってから普通に不動産の売却を依頼する媒介契約というものを締結します。その後「売却するには測量が必要です」とか「現状の荒れ果てた状態では販売活動が無理なのでこのような費用がかかります」ということで前払いの費用を請求するという手法です。

金額としては30万円から50万円の請求場合が多いです。時には300万円振り込んでしまった人などの話がネット上には上がっています

原野や山林を持っていても何も使い道がない方が多いですので、処理できるなら少しくらいの出費はということで支払う人がいるわけです。

その土地を買いたい理由付けは様々

しかしそれまでずっと放置されてきた不動産を突然の電話で買いたい人がいるっていうのは普通信じるもの?と疑問を持つ方もいると思います。しかし詐欺師たちの話は色々それらしいことを言うので信じる人も出てくるものです。例えば

  • この山一体を含めた開発事業が始まる
  • 広い土地が必要な老人ホームが建設される
  • 道路の計画がある
  • 〇〇の有名リゾート地になる計画がある
  • 相場全体が上がっているので購入価格より高く売れる

などなどその時のそのエリアにあった土地が求められているストーリーを作り出します。自分は騙されないと思うのは危険です。

後で解説しますが、根拠を求めるとかも中々対処法としては現実的ではないです。

過去の原野商法の顧客リストが売られている

ここでもう一つ、「そもそも詐欺師がなんでその人の電話番号知っているの?」と言う疑問を持たれる方も多いと思います。

それは過去の原野商法の顧客リストが業者同士で売り買いされていて、そのリストから電話をしているということになります

おるすま内田
おるすま内田

厄介なのは連絡先どころか、購入した価格までバレているところです。購入した状況まで分かった上で騙すシナリオを作れるのはかなり有利です。

原野商法とは1970年代に日本全国で大規模な開発が行われていたという時代背景をもとに、人里離れた原野を「何年後かには必ず値上がりするので今のうちに買っておいてください」ということで一般の人に売りつけるという手法の詐欺です。

引っかかった人は今もなお開発されることのない山奥の土地などを長い間持ち続けるという状態になっています。

そして時を経て2010年頃からその原野商法の顧客リストを使って、処分できない土地をようやく処分できるという気持ちにつけ込んだ費用請求詐欺が増えてきているのです。

もちろん実際に土地は売れない

もちろんこういったところに売却を依頼しても実際に土地が売れることはありません。前払いということで請求した測量費などの費用が目的なわけです。

有力な買い手候補がいるというのも嘘ですし、販売活動をするといっても現地に看板を立てたり、販売報告書などを作成したりするだけです。

有名な話では「未来土地コーポレーション」という大阪の不動産業者がこのような詐欺を行ったとして詐欺罪で起訴されるなど、不動産業者が詐欺を行うケースもありますし、宅建免許を持たない全く普通の会社が免許持っている風で詐欺をするというケースもあります。

おるすま内田
おるすま内田

未来土地コーポレーションの時は「中国の富裕層が日本の水源地を買い漁っているので売れます」だったらしいです。

このように宅建免許を持っている歴とした不動産業者かどうかも一度確認してもいいかもしれません。

被害に遭わないためには?

原野商法2次被害・測量費用振り込め詐欺

それではそんな原野商法の2次被害とも言える測量費振り込め詐欺に遭わないためにはどうしたらいいのかというところですが、それは簡単で他のちゃんとして不動産業者に電話してみてください。

どこかの詐欺師がリストに全部電話するおかげで地域の不動産屋に連続で同じような方のお電話があります。

その場で契約せず別の不動産業者に聞く

やはりこの詐欺に遭わないための1番の方法は「その場で契約せず他の専門家に聞く」というところにつきます。弊社にも何度かそのような連絡をいただくこともありますが、正直同じような電話を複数の方からいただくこともあり、

おるすま内田
おるすま内田

わからないですけど、それは怪しいと思いますよ。さっきもそんな感じの電話あったんで。

くらいのテンションでお答えしてしまう時もあります。

本当の不動産業者からすると、そんなあり得ない金額で接道もしてないそんな原野が売れるわけないでしょって思ってしまう話だったりするので、一旦違う人に聞いてみましょう。

また実際にその詐欺師と会ってしまうと「その日のうちにお金をもらうところまでやろう」というのが基本です。後で専門家に聞かれて嘘がバレたらお金が奪えなくなるので。そういった思惑もあるので、その日に契約しない。その日にお金を振り込まないというのを徹底しましょう

この詐欺に遭わないための方法はこれだけです。

事前に調べておくことは必要。でも…

もう一つ詐欺に遭わない方法というもので、自分でその詐欺師に質問したりして「根拠を求めていこう」「事前に自分で調査しよう」というものです。これは本当に大切なことなんですが、

おるすま内田
おるすま内田

その質問とかを乗り越えるくらい上手なんで詐欺が成立する。って話なんで。

私は詐欺に騙されないわって人が一番騙されやすいというのと同じ話で、一般の方が注意してもそれを逆手に取った手法などはいくらでも生み出せるので、そういったことで過剰に「私は根拠を求めてしっかり質問した。だから大丈夫」「俺は事前にこれだけ調べた」という風になる可能性のある対処法は、その対処法自体あまり信用しない方がいいと思います。

色々調べて質問もしてそれでも普通はよく分かってないと思うので、やっぱり最後に他の専門家にも意見聞いてみましょう。分かったと思いすぎるのが一番騙されやすい状況だと思いますので、自分で調査は大事ですがそこには気をつけていただければと思います。

その場で契約しない。その日に振り込まない。まともそうな不動産業者に電話して聞いて回る。これだけやりましょう。

まとめ:測量費振り込め詐欺に要注意

  • 原野商法の顧客リストを使って電話をしてくる
  • 売却するために測量費や管理費などを前払いさせる
  • 当然普通に売れない
  • 対処法はその場で契約しない。振り込まない。

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おるすま内田
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この記事を書いた人
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内田 隆一

株式会社おるすま代表取締役
不動産営業歴13年の経験と実績で不動産売却から購入までフルサポート。
奈良生まれにも関わらず、事務所を木津川市に構え、自身も木津川市在住の木津愛溢れる不動産エージェント。
皆さんの不動産売却を全力で応援します!

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